映画ライター森田真帆さん『あなたその川を渡らないで』レビューです。
9/23迄ブルーバード劇場で上映してます。☆☆☆☆☆☆

 

 98歳の夫と89歳の妻。おじいちゃんとおばあちゃんの夫婦愛を追ったドキュメンタリーとは聞いていたのですが、映画が始まって15分もたたないうちに、この楽しくて陽気なお二人の大ファンになっていました。

 

韓国の田舎でひっそりと暮らす二人は、まるで10代の恋人同士のよう。ふざけあったり、いたずらをしたり、一緒に歌を歌ったり。トイレに行くときも「外で待ってて」と甘えるくらいのおしどり夫婦。二人の幸せそうな姿に「もらい笑い」を何度もししました。そして、後半は「もらい泣き」です。歳を重ねるとともに訪れる老いと別れの辛さ。結婚76年、誰しもが「こうありたい」と思う夫婦像に笑い、泣きました。

 

 二人の夫婦だけではなく、親を亡くす子供の悲しさ、家族のあり方も詰まっています。夫婦の幸福だけではなく、家族の幸福とはなにか? をこの映画でずいぶん考えさせられました。一昨年、祖母を亡くしたときに「もっともっと一緒にいればよかった」と後悔した気持ちを思い出しました。上映後も、涙が止まらずトイレで大泣きしていると、同じ映画を観たご婦人が泣きながら入ってきて二人で泣きました。

 

 若者から大人まで一人でも多くの方に観てもらいたい、と思っていたこの素晴らしい作品をブルーバード劇場で上映ができることとなり、とてもとても嬉しいです。しかも最強のお年寄り!!!!である85歳岡村照館長のアイデアで「敬老の日」に合わせた上映となりました。大いに笑い、大いに泣いていただきたいと思います。

 

 

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上映中作品

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アナと世界の終わり
◆8月23日公開◆
ゾンビが蔓延した町で戦う高校生たちの葛藤と成長をミュージカル形式で描き、世界各地のファンタスティック映画祭で話題を呼んだ青春ゾンビミュージカル。

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ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave
◆8月23日公開◆
定年後にサーフィンに目覚めて種子島に移住した中年男性の第2の人生を、大杉漣主演で描いた「ライフ・オン・ザ・ロングボード」の続編。

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長いお別れ
◆8月16日公開◆
初の商業映画監督作「湯を沸かすほどの熱い愛」が日本アカデミー賞ほか多数の映画賞を受賞するなど高い評価を獲得した中野量太監督が、認知症を患う父親とその家族の姿を描いた中島京子の小説「長いお別れ」を映画化。

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ニッポニアニッポン フクシマ狂詩曲(ラプソディ)
◆8月23日公開◆
原発事故から8年を経ても続く福島県の被災地の深刻な状況を、オペレッタや多彩なアニメーションなどを交え、陽気な騒ぎにくるんで描いた異色の作品。

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あの日のオルガン
◆8月17日公開◆
第2次大戦末期に保母(保育士)たちが幼い園児たちとともに集団で疎開し、東京大空襲の戦火を逃れた「疎開保育園」の実話を戸田恵梨香と大原櫻子の主演、山田洋次作品の多くで脚本、助監督を務めてきた平松恵美子の監督、脚本により映画化。

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